プラモデルやフィギュアのモールドをより際立たせ、リアルさを演出するのに欠かせないスミ入れ。
マツオカステン原型師の松尾さんによるコピックマルチライナーを使ったスミ入れの方法をご紹介します。
マツオカステンさんの1/144スケールのレジン製組み立てキットのT-90MS tagil
こちらがスミ入れ前の状態。
こちらがスミ入れ後の状態です。
並べてみると一目瞭然です。
パーツがそれぞれ浮き出て見え、重厚感が増しています。
以下松尾さんに伺った基本のスミ入れのやり方をこちら。
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そして今回、特別にコピックマルチライナーの使い方、応用例も教えていただきました。
以下松尾さんのコメントになります。
ー左側はコピックマルチライナー(ブラウン0.03mm)で描いたものの上からラッカー系塗料を薄めたブラウン系でオーバーコートしたもの。右は他社製で同じように線を描き、上からオーバーコートしたもの。
①レジン製の台に木の木目調のものとして台全体に木目をライナーで書き込む、台はプライマーを吹いて、ラッカー系塗料で下地色としてベージュ系塗料を吹き付けている。
②下地処理したらひたすら木目を書き込んでいく。
③コピックマルチライナー0.03mmブラウンで木目を台全体に書き込み、木目のバランスを確認後、修正はマジックリンなどのアルカリ性洗剤で簡単に消える、または所々洗剤を含ませた綿棒で滲ませる感じで軽く拭き取ると木目の太い細いなど変化を持たせるとよりリアルになる。
④ラッカー系塗料でオーバーコート
このままではコピックで書いた線が手で触ると消えてしまいやすいのでラッカー系塗料のブラウン系をシンナーで薄めたものをマルチライナーで書いた線の上からなぞるようにエアー圧を弱くして0.5〜0.8mmくらいの線状になるよう塗料を吹いていく。
多少ライナーの線が塗料のシンナーで侵され滲んでも良い、後から台全体にエアブラシで同じくブラウン系の塗料の薄めたもので全体的に塗料を掠るように吹いていくと良い感じになる。
他社製のスジボリ用ライナーペンで書いてテストしたもの
他社製も塗料の原料が安定していて綺麗に線が出るのであるが、やや太い線になる。線軸幅で0.05mmくらい?
コピックマルチライナー0.03mmで同じように木目を書いてみたもの
コピックマルチライナーは最小線軸0.03mmがあり、サフェーサーやプライマーなど下地処理してから更にラッカー系塗料、特に艶消しと相性が良いのでスケール模型のスジボリや細かいディティールを書き込むなど意外な使い方ができる。当方では模型キット完成品の請負生産作業などにもコピックマルチライナーを使って作業しています。
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こちらが最初にご紹介した松尾さんのT-90MS tagilの塗装されたバージョンです。
...かっこいい!
松尾さんありがとうございました!皆さんもぜひトライしてみてください。