コピックでもプラ板アクセサリー制作を楽しむことができます。
子どもの遊びというイメージのあるプラ板ですが、最近では大人が楽しめる工作として人気が再燃しています。
コピックアワード2017クラフト部門大賞を受賞した黄さんのプラ板制作動画とインタビューを併せてご覧ください。コピックでの色付けの仕方からアクセサリーに加工するまでを動画でわかりやすく解説しています。
動画内で作成しているちょうちょのテンプレートもご紹介しているのでチャレンジしてみてくださいね。
黃于珊(Yu-Shan Huang) 台湾出身・在住の人気クラフト作家。台湾で開いているクラフト教室「The Crafter 手創工房」にて講師を勤めているほか、クラフト作家として書籍の執筆も手がけている。コピックの公式作品コンテスト「コピックアワード」2017年度開催のクラフト部門では大賞を受賞し、日本ホビーショー2019のコピックブースで講師を務めるなど国内外で活動を行なっている。facebook:@SmallWorldOfShrinkPlastic |
コピックのインクの透明度の高さがお気に入り
— コピックを使い始めた時期と理由を教えてください
黃于珊さん(以下敬称略):学生の時に通っていた学校の、表現技法の授業のなかでコピックの存在を知りました。マーカーを使用して建築材料や木材・金属・タイルなどといった材質や質感を表現するという授業です。学生時代には多くのブランドのマーカーを試しましたが、コピックほど綺麗に半透明な色彩感が出せるマーカーはなくて使っていくうちにファンになりました。
私はコピックのインクの透明度の高さがとても気に入っているんです!透明度が高いおかげで、重ね塗りをすることでプラ板上でもとても綺麗なグラデーション効果を生み出すことができます。
— プラ板を使ったものづくりにコピックを愛用していただいているとのことですが、ものづくり自体はいつ頃から始められたのですか?
黃于珊:学生の時に始めました。手で何か作ることが好きだったので、時間に余裕があるときや誕生日などお祝いのイベントの時には手作りのプレゼントを作って、自分なりにお祝いしたい気持ちを表現していました。その頃からプラ板を使ったものづくりをしていて、コピックも使っていましたよ。アマチュアとしての活動でしたが、オーストラリアのメルボルンで開かれたホリデーアーティストマーケットに何度か参加したりしていました。本格的にクラフト作家として活動し始めたのは2016年に海外から台湾に戻ってからです。現在は仕事としてプラ板作品の制作やワークショップの開催、また、書籍の執筆などを行っています。
— コピックでよく使う(好きな)色はありますか?
黃于珊:グラデーションを作るのが好きなので、近似色同士をよく使います。例えば青色を使用して描く時にはB00、B12、B24といったような組み合わせをよく使います。あとはBV00、V00、RV00、R00、YR00、Y00、YG00、G00、BG00などの淡めの色が使いやすくて好きです。
— 00番系をよく使われているのですね。コピックの色番号を意識して色を選ばれているのですか?
黃于珊:はい、コピックのカラーシステムは日頃から活用しています。プラ板に着色する場合は紙に着色するときと違って、繰り返し塗って色の濃さをうまく調節して色の修正をするということは難しいので、塗る前の彩色計画が重要になります。コピックには358色もの色数がありますが、体系的に色の性格ごとに分けられているカラーシステムがあるおかげであまり迷わずに色を選べてとても助かっています。
— コピックを使い続けたいと思えるポイントは何でしょうか?
黃于珊:コピックがとても使いやすいからです!20年前に台湾で購入したコピックは今も現役で使えています。インクが無くなっても補充できますし、ニブも交換できるので毎回新しいコピックを買わなくても良いというのはとても経済的でありがたいです。コピックにはアルコールマーカー特有の刺激臭が少なくて、匂いがきつくないところも嬉しいポイントですね。長持ちするし経済的なので自然とずっと使用し続けてきて、気付けばコピックの愛用者になっていました。
また、学校卒業後は海外での生活も長かった身としては、日頃から愛用している画材を各国で入手するのは結構難しいのですが、コピックはほとんどの国の現地で購入することができたので、その点でもとても助かりました。
黄さんはプラ板を使って立体的でリアルな作品を制作する。日本ホビーショー2019のコピックブースで実施していただいたワークショップでも大人気だった。
— 長くご愛用いただいてありがとうございます。コピックを長く使用されている黄さんですが、使っていくうちに見つけたテクニックなどがあれば教えてください。
黃于珊:通常、紙の上で行うコピックの塗り方やグラデーションやインクのぼかしなどをプラ板作品上に落とし込んでいることです。プラスチックにそのままインクを乗せるだけだと染料インクのコピックは色が定着しにくいのですが、プラ板の表面を細かいやすりでほんの少し傷つけることで凹凸を作って色が乗りやすいように工夫しています。
アワードでは世界中から応募される作品を楽しんでほしい
コピックアワード2017のクラフト部門大賞を受賞した黄さんの作品。こちらもプラ板で制作された蝶々で、標本のようなリアルさと繊細さが評価された
— コピック30周年を記念して開催された第一回目のコピックアワードに参加していただいたことがきっかけで今回は黄さんにインタビューをさせていただきました。コピックアワードに参加されて抱いた感想を教えてください
黃于珊:コピックアワードへの参加は、学びの多い機会になったと思います。同じコピックを使用しているのに、応募されている参加作品はそれぞれ全く異なる精彩なものばかりで、しかも世界中から応募される作品を見ることが出来たのはとても勉強になりました。コピックを長く愛用している者として、コピックの公式コンテストに参加できる機会があったことはとても良かったですし、受賞のお知らせを聞いた時はとても感動しました。賞品のコピック全色セットは綺麗なアクリルケースに収納されていて、自分の名前が刻まれているのを見たときも最高に嬉しかったです!
— コピックアワードのクラフト部門大賞受賞後に何か変化はありましたか?
黃于珊:嬉しいことに私が開催しているクラフト教室の生徒の人数が増えたほか、ホビーショーのワークショップも含め色々な都市や書店でクラフトイベントに講師として招待していただいたりクラフト制作の依頼の機会も増えるなど、お仕事に良い影響がでていると感じました。
2018年4月に開催された、コピックアワード2017の授賞式にて。前列向かって左がイラスト部門大賞の陳裕旻さん、真ん中が黃于珊さん、右がデザイン部門大賞のNigel Müllerさん
— そう仰っていただけて非常に嬉しいです。現在コピックアワードにご興味をお持ちの方にむけて何かメッセージをお願いいたします。
黃于珊:コピックアワードは、個展を開くといった活動以外に自分の芸術への情熱を外に発信できるとても良いコンテストだと思います。世界中から応募される作品を見ることができることが非常に有意義な交流の一つですし、国際コンテストイベントならではだと思います。芸術に対して情熱を持っている方はぜひこの機会を逃さずチャレンジしてみていただきたいです。受賞しなかったとしても、コピックアワードへの参加は素晴らしい経験になるかと思います。
動画内で作成しているちょうちょのテンプレートはこちらからダウンロードできます。
テンプレートのダウンロードについて 黃于珊さんのプラ板用ちょうちょのテンプレートデータは、個人の使用範囲に限りご使用いただけます。下記項目に該当するような行為はご遠慮ください。
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